qad

合理と非合理の間には 今日も冷たい雨が降る

 外から見た時の私の思考パターンはたぶんコウモリみたいに見えるのかもしれないな、というセルフイメージがなんとなくある。

 両足は非合理の大地をどっかり踏みしめているのに、体を思いっきり傾けて合理の領域に半身以上乗り出しているような感じ。でも、バランスを崩して合理の領域に足をつけそうになると、一瞬つま先だけ合理の大地を蹴って、また足を非合理の台地に戻す。逆にバランスを安定させようとして上体が非合理の領域の内側に収まりかかると、また上体をぐぐっと傾けて合理の領域に半身を突き入れる。

 完全に非合理の内側にいる者からはとても自分たちと言葉を通じ合わせることが出来ない無味乾燥な合理野郎に見えるだろうし、逆に合理の内側にいる者には肝心なところで論理性を拒否する支離滅裂な非合理野郎に見えるだろう。
 かくして、どっちつかずで誰の仲間にもなれないコウモリ野郎の私はバットマン、いや仮面ライダーナイト、いやむしろ街の涙を拭う二色の仮面ライダーになるしかないのだ。ってわざわざそっちを取るか俺。