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ヒューマンアンデッド

 実は『仮面ライダー剣』が大好きだったりする。

 先日、2chの特撮板にある剣スレで、ヒューマンアンデッドについてかなり面白い見方が披露されていた。

ちょっと思ったんだけど、バトルファイトの勝利者の願いって、どのくらいの
時間をかけて達成されるものなんだろうね。
地球の支配生物が交代するのなら、いきなりその他が死に絶えるなんて無茶な
リセットは出来ないだろうから、それこそ数万年、数十万年とかかるのかも?
気の遠くなるような話だけど、アンデッド自身は不死、つまり永遠の存在だから
時間などはさほど問題じゃないだろうし…。
そう考えると、もしかしてヒューマンアンデッドの願いって「生き物の共存」
ではなく、他と同じ「自分の種を唯一絶対の存在にする」じゃなかったかという
仮定もできる。現代の人間は言わばローチのような存在で、長い年月をかけて
他の生き物たちをゆっくり滅ぼしている最中、つまりヒューマンアンデッドの
願いを達成しつつあるという状況。
もしも人類のその過程をずっと見ていたヒューマンに後悔の念があったのなら、
「あなたは何を願ったのか」という質問に答えられなかったのも合点がいく。
さらに言えば、解放されたジョーカーに無抵抗のまま封印される道を選んだのも。
あれはジョーカーを変えるとかいうのではなく、モノリスなき偽りのファイトの
中で唯一自分を封印してくれるジョーカーに、自分が招いたこの世界の滅亡を
止めて欲しかったのではないだろうか。
つまり、最終回での剣崎に対する始と、まったく同じ構図。


既出意見ならごめん。

「あなたは何を望んだんです」という剣崎の問いかけについてヒューマンUDが「君なら、何を望みますか」と、問いを問いで返す答え方をしたことについて、俺は単純に「私の望んだことはあなたの望んでいることと同じですよ」という含みを持たせていたのだとしか思っていなかったけど、確かにこういう見方もできるよな。面白い。


 で、ちょっと思い出したことがあって、第4話の広瀬栞の回想で、BOARDに入所したばかりの栞に烏丸所長が人類基盤史研究の意義を語っているシーンを観返してみた。そこで烏丸は、飢餓や貧困や病苦などを解決して誰も人と争わなくなる世界を作り出すために、過去に他の生物との生存競争を勝ち残ってきた人類の進化の秘密を解き明かしたいという研究のビジョンを語っていた。
 この台詞はあんまり深く考えずにスルーしてきた部分なんだけど、他生物に対する勝利の秘訣こそが人類平和の秘訣であるという考え方って、典型的な“勝者の平和”の発想なんだよな。この考え方でいくと、BOARDの作ったライダーシステムが人間の平和のためにアンデッドを道具として使役する武器であったというのも、何だか象徴的だ。